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関門航路及びその周辺の潮流と早鞆瀬戸潮流との相関関係

 関門海峡はS字型の狭水道で、最大10ノットを超える潮流が発生する航海の難所です。関門航路を航行する船舶は、第七管区海上保安本部所管の火ノ山下、台場鼻及び部埼潮流信号所の電光表示でリアルタイムに提供されている早鞆瀬戸の潮流情報(流向・流速)を利用していますが、潮流の実態には海域差があり、早鞆瀬戸から東方向あるいは西方向に離れるにつれて、早鞆瀬戸の潮流とは時間差、流速差が生じています。関門港には大型船、内航フェリー等が出入りしており、これら船舶の一部は、憩流時間帯に関門航路から分岐した航路・水路を経由して泊地岸壁に入出港していますが、それぞれの海域での詳細な潮流情報が無いことから操船に苦慮している状況にあり、関門海峡全体の潮流が把握できる情報の提供が望まれています。
 本会では、この様な背景を踏まえ、関門航路の西部・中部・東部海域に設置されている関門航路第12号灯浮標付近(21年度)、第22号灯浮標付近(23年度)、第29号・第35号灯浮標付近(26年度)の潮流と早鞆瀬戸潮流との相関関係について調査研究(研究事業)を行なってきました。26年度の調査研究ではこれらの調査結果に基づき総合的な再解析を行い、関門航路及びその周辺における潮流と火ノ山下潮流信号所等に電光表示されている早鞆瀬戸の潮流との相関関係をとりまとめました。本ページではその概要を掲載しています。
 詳細は、関門航路航行安全対策調査専門委員会「関門航路及びその周辺の潮流と早鞆瀬戸潮流との相関関係」(平成26年12月22日)を参照して下さい。


 早鞆瀬戸と対象灯浮標


 早鞆瀬戸潮流と海域別潮流との相関関係

 火ノ山下潮流信号所に電光表示された早鞆瀬戸の潮流と関門港西部地区海域(関門航路第12号灯浮標付近)、関門港中部地区海域(関門航路第22号灯浮標付近)、関門橋西側海域(関門航路第29号灯浮標付近)、関門橋東側海域(関門航路第35号灯浮標付近)における潮流との相関関係は次のとおりです。(詳細はこちら


   海  域              相関関係の結果
 関門港西部地区海域
(関門航路第12号灯浮標付近)
 火ノ山潮流信号所表示に比べ、潮時は20分程度の遅れ、流速は2割程度の値
 関門港中部地区海域
(関門航路第22号灯浮標付近)
 火ノ山潮流信号所表示に比べ、潮時は3分程度の遅れ、流速は2割程度の値
 関門橋西側海域
(関門航路第29号灯浮標付近)
 火ノ山潮流信号所表示に比べ、潮時は4分程度の遅れ、流速は5割程度の値
 関門橋東側海域
(関門航路第35号灯浮標付近)
 火ノ山潮流信号所表示に比べ、潮時は17分程度の遅れ、流速は2割程度の値


 関門航路潮流概要図

 火ノ山下潮流信号所の表示が10ノットと想定した場合の関門航路全域の潮流概要は次のとおりです。
潮流概要図は、西流又は東流最強時頃(電光表示10ノット)の潮流の状況をベクトル表示したものであり、潮流模式図は、潮流概要図を基にさらに分かりやすく模式化したものです。いずれも関門航路を通航する際のガイドブックとしてご利用いただけます。

    
   西流時 ・関門航路潮流概要図(電光表示がW10と想定したときは、こちら
・関門航路潮流模式図(流速ベクトルを色別で表示したものは、こちら
   東流時  ・関門航路潮流概要図(電光表示がE10を想定したときは、こちら)
・関門航路潮流模式図(流速ベクトルを色別で表示したものは、こちら