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海難に関する事項を研究する事業

 海難の発生しやすい事象や状況、海域及び発生要因等の調査、分析並びに安全対策の研究等海難に関する基本的事項について、学識経験者等からなる研究調査会を設置して研究を行っています。


 沖縄付近海域における台風避泊等船舶航行安全対策に関する研究

 沖縄付近海域を対象に、台風の発生・接近状況を含む航行環境及び台風襲来時の船舶の動静について実態を把握し、この海域を航行する船舶が避難する際の参考となる資料をとりまとめました。台風襲来時の船舶動静については、船舶運航会社へのアンケート調査により避難実態を、衛星AISを含むAISデータの解析により付近船舶の動静実態を把握しました。

2013年台風第24号経路


 北九州空港及び長崎空港周辺海域における荒天時の走錨に起因する事故防止に関する研究

 平成30年9月に発生した関西国際空港連絡橋に対する走錨に起因する衝突事故を契機として、北九州空港及び長崎空港の周辺海域において船舶が走錨した場合の各空港関連施設に対する衝突リスクの評価及びこれに基づく事故防止のための対応策に関して調査研究を行い、北九州空港においては連絡橋及び北側進入灯から3マイルの範囲の海域、長崎空港においては南北の進入灯から3マイルの範囲の海域においては荒天時に錨泊を自粛することとする対応策を提言しました。

 北九州・長崎空港A海域


 熊本県沿岸における小型船舶の安全対策に関する調査研究

 日本近海での船舶海難の約8割を占める小型船舶の海難を減少させるため、小型船舶の活動が盛んな熊本県宇城市・上天草周辺海域をモデルケースとして、一般的な基礎調査に加え、ドローンを使用しての小型船舶の活動状況や漁業協同組合、マリーナを通じてのヒアリング調査及び海難防止に関するアンケート調査を行ったうえで委員会審議を行い、高齢者対策を含めた調査研究を行いました。

小型船舶通航実態調査海域

 那覇港付近海域における小型船舶の安全対策に関する調査研究

 小型船舶の海難を減少させるため、沖縄県那覇港付近における小型船舶の運航に関する安全対策について、漁業協同組合・マリーナ・小型船舶の団体等への海難防止に関するアンケート調査、自然環境調査、那覇港付近海域の船舶交通実態・プレジャーボートの活動等の基礎調査を実施したうえで、調査結果の解析・評価を行い、小型船舶の航行安全対策をとりまとめました。

那覇港付近海難


 関門航路早鞆瀬戸付近海域における渋滞緩和策に関する研究

 関門航路を航行する船舶は1日600隻を超え、最も可航幅が狭い早鞆瀬戸付近海域は潮流の影響を受けやすく、関門航路の中でも難所となっています。現在、早鞆瀬戸水路には追い越し禁止及び4ノットの優速規定があり、潮流が穏やかになった際に船舶が集中し、また、速力の異なる船舶が混在することなどにより、同海域付近で渋滞が発生しているとの指摘もあることから、本会が蓄積していたAISデータの分析等から、一部区間の渋滞状況を含めた航行環境の変化を明らかにするとともに、渋滞緩和策について調査研究を行いました。

早鞆瀬戸渋滞図